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隠れた貧血とフェリチン

◆フェリチンは血液の原料の鉄を貯蔵するタンパクですべての細胞に存在し、血中にもわずかに存在します。
 ◆このフェリチンの量に余裕がないと、血色素(ヘモグロビン)が正常範囲でも月経が増加したり、分娩時の出血で、すぐに鉄欠乏性貧血になってしまいます。体内の鉄が不足し始めると血色素低下に先立ちフェリチンが低下します。
 ◆女性の繰り返す鉄欠乏性貧血の治療では血色素の他にフェリチンも測定して十分な鉄の補給と貯蔵の確認が大切です。

配糖体(ハイトウタイ)は自然からの贈り物

マツバボタン◆漢方薬の多くは配糖体とよぶ一群の化合物を各種含んでおり、これらが薬効の源になっていることが多いのです。配糖体は「糖」と「非糖成分(糖以外の成分)」が強く結合したもので、各種の薬効成分は非糖成分中に存在します。
 ◆ところが糖が結合したままでは、通常、非糖成分を人間は吸収して利用することができませんし、人間の消化液もこの結合は切り離せません。そのかわり、大腸に住むごく一部の菌が糖の部分を切り離して非糖成分を裸の状態にしてくれるおかげで、人間は非糖成分を吸収でき、その薬効の恩恵を受けられるようになります。この菌たちを資化菌(シカキン)といい、配糖体ごとに特定の菌が資化菌として活躍します。
 ◆植物が作り出す各種の配糖体と大腸内に自然発生する資化菌のコンビは人間にとって、自然からの贈り物といえます。
 ◆初めて飲む漢方薬の場合、最初の数日間、便が緩んで、またもとに戻ることがあります。これは普段は少数派の資化菌が切り離した糖を栄養源にして増殖し大腸内の各種の菌の勢力バランスが一時的に変化するためと考えられています。

見える当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)効果

白い花◆当帰芍薬散は数千年前から女性の一生に関わる漢方薬として使い続けられています。生理不順、生理痛、PMS、無排卵、妊娠出産の各種トラブル、更年期症候群等々、使い方次第で、効能は多岐にわたり効果も十分に期待できます。
 ◆妊娠希望で基礎体温をつけている場合、当帰芍薬散を内服開始すると多くは次の月経周期から基礎体温が変化しはじめます。これは身体がホルモン分泌をコントロールする能力を取り戻しつつあることを示しています。数ヶ月後に基礎体温の形がきれいになると妊娠の期待が高まります。これは当帰芍薬散によって排卵や高温期の維持が改善されていく過程をを目で見ているわけです。
 ◆当帰芍薬散について。①食前に内服するのが原則ですが空腹時だと胃がもたれるようなら食後の内服も可で効果もかわりません。②製薬メーカーによって生薬の構成が異なることがあり、人により別のメーカー製品に変更すると効果がよくなることがあります。 ③内服中に妊娠した場合はそのまま内服を継続すると流産防止効果が期待できます。

五苓散(ゴレイサン)と青い鳥

リンドウ◆漢方薬には五苓散などの「利水剤(リスイザイ)」とよばれるものが各種あり、体の各所の水分分布の病的なアンバランスを速やかに整える作用があります。
 ◆1992年に、全身の細胞の壁に「アクアポリン」という、水1分子がやっと通過できる極小の穴を持つタンパクが発見されました。アクアポリンの穴は一種の水門で開閉によって水だけを細胞に出入りさせ、水以外の物質は一切通さないという画期的なシステムでした。現代薬にはアクアポリンに作用するものはなかったので、これを応用した世界初の理想の新薬開発が期待されました。
 ◆その後の研究で、数千年前からあると考えられる五苓散がまさにこのアクアポリンの穴をコントロールし水分調整をしていることが証明されました。
 ◆探し求めていた幸せの青い鳥は、気づかなかっただけで、ずっと前からそばにいたというメーテルリンク作の童話劇「青い鳥」を思わせるエピソードです。

基礎体温と上手につきあおう

サルスベリ◆基礎体温は夜寝る時に婦人体温計を枕元に置いておき、朝目覚めたら、起き上がる前にはかり、折れ線グラフに記します。とくに妊娠を希望されている場合、排卵しているかどうか、排卵日はいつかなどは基礎体温で容易にわかり妊娠につながることがお勧めするメリットです。
 ◆一方、時にデメリットも経験します。基礎体温を長期につけていると気持ちが落ち込んだり家庭内がギクシャクしてしまうことがあります。こんな時、思い切ってしばらく、基礎体温や通院も休んでみましょう。これは挫折でなくリフレッシュです。ストレスから解放され、その間に妊娠された症例を何例もみてきました。

雨と頭痛と利水剤(リスイザイ)

アメリカンブルー天気が下り坂になると頭痛や吐き気、だるさに襲われる方は意外と多いようです。気圧が急降下中に脳血管内の圧力がそれについて行けず、相対的に脳血管内の圧力が上昇、膨張した血管が周囲の脳神経を圧迫するためという仮説があります。
 ◆毎回、症状がひどく日常生活に影響する方の場合、体内の水分分布の不均衡を速攻で修正できる「五苓散(ごれいさん)」を代表とする漢方薬の「利水剤」が著効する例がよくみられます。五苓散内服後最短15分ほどで効果が出始め数時間以上効果が続きますので、低気圧の気配を感じてからの内服でも通常間に合います。
 ◆ちなみに気圧と頭痛を予報するというスマホアプリがあります。 →「頭痛ーる」

NILM(エヌアイエルエム・ニルム)は大丈夫のしるし

4◆近年、子宮頸がん検査の結果に「NILM」という略号が、登場しています。これは「(がん等の)腫瘍性の変化は見られない」という表現で従来のクラスI~IIに相当し、問題ありません。
 ◆よく、NILMのあとに「炎症」や「扁平上皮化生(ヘンペイジョウヒカセイ)」を併記してあります。子宮の入り口にあたる子宮腟部は細菌感染などによって軽い炎症を繰り返しますがたいていは自力でなおしてしまいます。炎症などの刺激で傷ついた細胞が自然治癒力で修復される過程で見られる細胞が「扁平上皮化生細胞」で治療も心配もいりません。

子宮腟部びらん(シキュウチツブビラン)は病気?

ピンクの花◆子宮頚がん検診の結果で「子宮腟部びらん」という用語を目にします。この正体は子宮頚管がめくれ、その奥にある毛細血管で覆われた粘膜が赤く浮き上がって見える状態の表現です。ほとんどは問題ありませんが、まれに子宮頚がんのこともありますので、記録と子宮頚がん検診が必要です。
 ◆女性ホルモンの影響を強く受け、生理のある女性では大なり小なりよくみられます。閉経するとめくれていた子宮頚管が縮み見えにくくなります。
 ◆子宮腟部びらんは<子宮頚がん検査が異常なければ>病気ではなく単なる自然現象です。